CURE キュアのあらすじ(1997年 黒沢清)

最終更新日 2023年4月10日 by Kazu

《あらすじ》

刑事の高部(役所広司)は事件現場のホテルに向かっていた。

現場に着くとすでに検証は始まっていた。被害者は女性で、ベッドに仰向けの状態ですでに息は無かった。

容疑者の男はホテル内ですぐに見つかった。手口は刃物を使った特異なもので、被害者の首スジにはX字の大きな切り傷があった。これで同様の手口の事件は、ここ最近で3件目になる。

しかし、犯行に及んだ人間はそれぞれ別人で動機は不明だった。

高部の友人で精神科医の佐久間(うじきつよし)は、取調べ中の容疑者をビデオで見て特に異常はないと言った。佐久間の見立ては犯行はただ魔が差しただけで手口の一致もただの偶然というものだが、高部は納得できず途方にくれた。

そんな高部にはもう1つ心配事があった。妻の文江(中川安奈)が精神を病んでいたのだ。彼女は佐久間が紹介してくれた病院に通っていたが、病状はまだ改善していなかった。

スポンサードリンク


ひし形1

その後も同じ手口の事件が頻発し、それはついに警察内でも起きた。警官が同じ派出所に勤務する部下の頭を撃ったのだ。撃たれた警官の首スジには、やはりX字の切り傷が付いていた。

催眠術が悪用された可能性を考えた高部は、取調べに佐久間を同席させた。

容疑者の警官に注意深く犯行動機を聞きだす高部、その途中で佐久間が割って入った。佐久間は自分が精神科医であることを告げると、点滅するペンライトを警官の顔に近づけて質問した。

「何か光るものを見た覚えはありますか?」

警官はそれを否定したが、なぜか佐久間の持っているペンライトから顔をそむけた。

その反応に違和感を感じた高部は、犯行前に誰かと会っているはずだと迫った。すると、警官は入り口に立っていた若い警官にゆっくりと近づき、その身体の上をペンでX字になぞったのだ。容疑者の警官はぼんやりした様子で、その行動の意味を佐久間に聞かれてもうまく説明できなかった。

ひし形1

その後も同様の事件は収まらず、休む暇のない高部に部下から連絡が入った。容疑者の警官が犯行前に会っていたと見られる人物が、とある病院で見つかったというのだ。

高部はその病院に急行し倉庫の暗がりでその男(萩原聖人)を発見した。20代後半のその男は署で高部に尋問されたが、話の途中で「あんた誰だ?」などと言い、要領を得ない答えを繰り返した。そして、自分の写真を見せられてもそれが誰だか判らないようだった。

その後の捜査で、男が「間宮」という名前の精神科の医大生であることが分かった。そして、高部は間宮の自宅を捜索し、メスマーという18世紀の催眠法考案者についての文献とそれをテーマにした間宮の論文を発見した。バスルームには磔になった猿のミイラがあった。

その帰り道、高部は文江の幻覚を見た。彼女は自宅の天井から首に巻いたロープ一本でぶら下がっていた。

一方、佐久間は間宮を精神病とみなし病院に移送してしまった。佐久間は間宮の危険性を感じていて、高部にこれ以上間宮と話をさせないという意図もあった。しかし、それを知った高部は憤り、佐久間の警告を無視して間宮のいる病院へと向かったのだが……

スポンサードリンク


[作品データ]

監督・脚本 黒沢清
製作 加藤博之
出演者 役所広司、萩原聖人、うじきつよし、中川安奈、洞口依子
音楽 ゲイリー芦屋
上映時間 111分