マッドマックスのあらすじ・解説(1979年 ジョージ・ミラー)

 『マッドマックス』は、1979年に公開されたオーストラリアのバイオレンス・カーアクション映画の傑作。監督はジョージ・ミラー、この作品が彼の長編映画デビュー作であった。この作品はメル・ギブソンというスターを生み出し、その後シリーズ化された。

 

《あらすじ》

 警官を殺したナイトライダーと名乗る男は、特殊警察M.F.P.の専用車両インターセプターを盗んで逃走していた。2台のM.F.P.パトカーと白バイが、追跡を開始するが巻かれてしまう。白バイ隊のグース(スティーヴ・ビズレー)から連絡を受けたM.F.P.隊員マックス(メル・ギブソン)は、逃走車の追跡を開始した。マックスは、高度の運転スキルでたちまちナイトライダーの真後ろにぴったり張りついた。弱気になったナイトライダーは、運転を誤り猛スピードで工事現場に突っ込んだ。
 仲間のナイトライダーを殺され、復讐に燃える暴走族リーダーのトーカッター(ヒュー・キース・バーン)。彼が率いるバイク集団は、町ですき放題暴れ回り、ついにグースを罠にかけ火を放った。病院でグースの変わり果てた姿を見てショックを受けたマックスは、上司から休暇をすすめられた。彼は、妻ジェシーと生まれたばかりの赤ん坊を連れて旅行に出かけた。大自然の中で羽を伸ばした一家だったが、途中でトーカッター軍団と出くわした。慌てて逃げ出したが、たどり着いた伯母の家まで連中は追ってきた。トーカッター軍団は、マックスが家から離れた隙にジェシーの前にあらわれた。赤ん坊を抱いてハイウェイを逃げるジェシーを、バイク集団は容赦なく跳ね飛ばした。マックスは路上に横たわる家族のところにかけ寄ったが、なすすべもなくその場に崩れ落ちた。
 家族を失い笑顔の消えたマックスは、その人間性まで失ったように見えた。彼はM.F.P.が特別に改造した<V8インターセプター>に無断で乗り込むと、捨て身の復讐劇を開始した……

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解説

■暴走と破壊の魅力がつまったカーアクション

 1979年、制作費は個人投資家から集めた20万ドル、オーストラリアのハイウェイで12週間で撮影された『マッドマックス』は大成功を収めた。スタッフもキャストも当時は無名の人物ばかり。主演のメル・ギブソンは『青春グラフィティ』(’77)という映画に250ドルで出演したことのある演劇学校を卒業したばかりの俳優だった。

 製作費のほとんどが車の改造に消えたといわれるが、フィルムに収められた映像は凄まじかった。接近して猛スピードで走るパトカーとバイク、エンジン音と白煙を噴き上げるタイヤ、暴走車から捉えた地面スレスレの低空ショット、大破する車のスローモーションなど、目を離すヒマがない。観客はスピードの魔力と衝突の恐怖に酔いしれることになる。暴走集団の複数のバイクが橋の上で転倒し落下するシーンでは、そのあまりの迫力にスタントマンの中に犠牲者が出たというウワサが広がった。

■暴走族の強烈な存在感

 この作品の暴走族にはリアリティがある。特にトーカッターの顔つき、ナイトライダーの異常なテンションはすばらしい。演技の上手さもあるが、なにせ無名の俳優ばかりなので本物に見える。実際、セリフのある人物以外は現役の暴走族を使っていたらしい。

 人口の少ない辺鄙な田舎町で彼らのようなならず者に出くわしたらどうなるのか、”自分の身は自分で守るしかない”まさにそういった怖さが伝わってくる。次回作『マッドマックス2』で描かれる無法の世界がすでにここで垣間見られる。

 ヒーロー物は悪役のレベルが高いほど主役が引き立つ上に、倒したときのカタルシスも大きくなる。ここに登場する暴走族の存在感はこの作品の評価に大きく貢献している。

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[作品データ]

監督 ジョージ・ミラー
脚本 ジョージ・ミラー、ジェームズ・マッカウスランド
出演者 メル・ギブソン、スティーヴ・ビズレー、ヒュー・キース・バーン、ジョアン・サミュエル、ティム・バーンズ
音楽  ブライアン・メイ
上映時間 93分